【HMBとは?】プロテインいらずで筋肥大させる効果のウソ・ホント
ワークアウトをしている人の中にはプロテインを始め、サプリメントを摂取している人は多いですよね。
最近、HMBというサプリメントをよく目にしませんか?
芸能人を広告に使ったり、ネット広告に頻繁に出てきたり・・・ワークアウトをしている人なら一度はHMBの広告を見た事があるかと思います。
これだけ広告を目にするのですから、さぞかし効果も絶大なのでは・・・そう思ってしまいますよね。
うたわれている効果は『筋肥大促進』『筋肉の減少を抑える』『損傷した筋肉の回復・修復を促進』などです。
特に、筋肥大促進効果については『プロテインなんて時代遅れ』的な言い方までされている場合があるほどです。
はたして、本当にHMBは言われているとおりの効果があるのでしょうか?
- そもそもHMBってどんな成分かわからないから飲むのがちょっとコワイ。
- 本当にプロテインより効果があるのか、どれぐらいで効果が出るのか。
- サプリメントは飲み続けなければいけないから、味やニオイが気になる。
このような疑問をお持ちの人もいらっしゃるでしょうから、少し深堀りしてみましょう。
目次
HMB・・・実はまだ若いサプリメントです
さて早速ですが、このHMB、最近急に見るようになったと感じませんか?
HMBは1996年に効能が発見されて、日本にサプリメントとして入ってきたのが2010年。
ここ2~3年で急激に広まったのです。
ですから、まだまだ浸透していなく、HMBが何なのかさえ知らない人がたくさんいます。
広告どおり?その効果とは!?
まず、HMBとは何なのか、からお話しましょう。
正式名称は、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸塩(β-hydroxy-β-methylbutyrate)と言います。
みなさん、食事やプロテインからタンパク質を摂取しますよね。
その摂取したタンパク質が体内で分解され、アミノ酸になります。
そのアミノ酸のひとつ、ロイシンという成分があるのですが、このロイシンが代謝されてできる成分があります。
それがHMBです。
効果は以下のとおりです。
少量でスムーズに筋肉に届くため筋肥大効果がある
先ほどもお話しましたが、通常であればロイシンがHMBに代謝されてから筋肉に吸収されます。
なので、最初から筋肉に吸収される形になっているHMBサプリメントの摂取が筋肉に効くと言われているんですね。
プロテインのように、タンパク質→アミノ酸(ロイシン)→HMBという工程を踏む事なく筋肉に届くわけですから。
もうひとつ、筋肉に効くと言われている理由があります。
それは、HMB濃度です。
HMBはロイシンの代謝物なので、ロイシンが含まれているホエイプロテインからも摂取できるのです。
ただ、ホエイプロテインから摂取しようとするととんでもない量を摂取しなければならないのです。
HMBは1日に3g摂取すると良いと言われています。
ロイシンがHMBに代謝されるわけですが、ロイシンの5~10%しかHMBになりません。
という事は、3gのHMBをロイシンから摂取しようとすると、30g~60gのロイシンが必要という事に。
ホエイプロテインには10%ぐらいのロイシンが含まれています。
通常、ホエイプロテインは1回に30gぐらいを摂取しますが、そのうちの10%の3gがロイシンという事になります。
1日のHMB摂取量が3g、それをロイシンから摂取しようとすると30~60g必要、ホエイプロテインで換算すると1日に10~20杯のプロテインを摂取しないとHMBが3gにならないという事に。
1日にHMBたった3g摂取する事でプロテイン10~20杯と同じ効果があると考えると、それは確かに『プロテインなんて時代遅れ』といううたい文句が出てもおかしくないですね。
筋肥大を見た目で感じられるようになるまでの期間は、個人差はありますが1~3ヶ月ぐらいです。
筋肉の減少を抑える効果がある
タンパク質分解抑制効果がHMBにある事が分かっています。
なので、減量中の人にオススメです。
減量中というのは、脂肪だけではなく筋肉も落ちてしまいがちなので、HMBを摂取しながら減量をすると筋肉の減少を最小限に抑えながら減量ができる、という事ですね。
損傷した筋肉の回復・修復を促進させる効果がある
ワークアウトでの筋肉の損傷と回復を繰り返す事が筋肥大のメカニズムですが、回復が早ければその分筋肥大の成果も早く現れます。
損傷した筋肉の回復・修復を促進させる効果があるHMB。
HMBを摂取する事で摂取しない人よりも早く目的の体型になれるという事ですね。
重要!!無駄にしないHMBの飲み方
1日3gを摂取すると良いと言われているHMBですが、1回に3g摂取するという意味ではありません。
3gを1gずつ3回に分けて摂取します。(パウダーの場合)
これには理由があり、一度に3g摂取してもその一部(70%前後)しか吸収されず、あとは尿として排出されてしまうからです。
HMBは摂取して2時間後ぐらいに血中濃度がMAXになり、その後徐々に下がっていくので、4~5時間おきに1gずつHMBを摂取する事で、起きている間、血中濃度を維持する事ができます。
万能に思えるHMBにもデメリットが
これまでの話を聞いていると『HMBって万能じゃん!!』って思いますよね。
でも実は、デメリットもあるんです。
誰にでも効果があるわけではない
あれだけ『筋肥大に有効!!』と言っておきながらこんなデメリットがあるなんて唖然としますよね。
HMBが大きく作用する人というのは、ワークアウト初心者~中級者の人なんです。
ワークアウトの経験がなければない人程、効きが良いという事です。
ある実験で、ワークアウト初心者グループとアスリートグループそれぞれにHMBを摂取させ、一定期間ワークアウトをしたのち筋肉量を測定した結果、ワークアウト初心者グループには筋肉の増加が見られたそうですが、アスリートグループはほぼ変化がなかったそうです。
しかし、ワークアウト上級者に全く効果がないというわけではありません。
上級者には筋肥大効果が望めないとしても、HMBには筋肉の減少を抑える効果があるわけですから、摂取する事で減量中の筋分解を抑える事ができます。
飲む量を間違えると筋肉が減少する
筋肥大に効果的だと言っているHMBに筋肉を減らす効果もあるとか矛盾しているじゃないかと思いますよね。
しかし、実際に筋肉が減少したという実験データがあるそうです。
1日に3gのHMBを摂取するグループと、1日に6gのHMBを摂取するグループに一定期間ワークアウトをさせたのち、筋肉量を測定した結果、1日に3g摂取したグループは筋肉の増加が見られたのに対し、1日に6g摂取したグループは変化なし、もしくは筋肉が減少したそうです。
筋肉のためにとたくさん摂取するのは逆効果、という事ですね。
味・においが良くない
HMBは非常に飲みにくい味とにおいがあります。
人によってはワキガのにおいと例える人がいるほどです。
HMBの購入を考えている人は、錠剤タイプ、もしくはフレーバー付きのパウダータイプをオススメします。
間違ってもノンフレーバーのパウダータイプを購入しないようにしてください。
まぁ、『味やにおいなんて関係ない!効果が最重要!』というストイックな人はノンフレーバーのパウダータイプでも良いかもしれませんが・・・
まだまだ未知数なサプリメント
HMBはまだ新しいサプリメントなので、分かっていない部分も多く、デメリットもある事からワークアウト上級者ほど摂取していないような気がします。
一部の広告でうたわれている『プロテインの○○倍の効果!』というのは過大広告かもしれませんね。
もし、デメリットもなくプロテイン以上の効果を望めるなら、この世からプロテインという商品はなくなっているはずです。
ただ、筋肥大だけがHMBの効果ではないので、筋肉の減少を抑える効果や筋肉の回復を促進させる効果はワークアウト上級者でも十分に使える効果です。
HMBの摂取は用法・容量を守って自己責任で
HMBの特徴をまとめますと、
- HMBはまだ新しいサプリメントでわかっていない部分もある
- 筋肥大効果があるが、ワークアウト経験がない人ほど効果が出やすく、上級者は効果が出にくい
- 上級者には筋肥大効果が望めなくても、筋肉減少抑制効果や筋肉の回復・修復には期待が持てる
- たくさん飲んだからと言って効果が大きく出るわけではなく、逆に筋肉が減少する可能性がある
- 味やにおいが良くないので、錠剤タイプかフレーバー付きパウダータイプがオススメ
の5つになります。
なかなか難しいサプリメントですよね。
広告の過大評価を鵜呑みにせず、まずは自分に合うかどうかを自分自身で確かめる事が重要です。
もし、HMBの効果を実感できたのならば摂取し続ければ良いですし、効果を実感できなかったら摂取をやめれば良いのです。
サプリメントは栄養補助食品です。
『必ず摂取しなければいけないもの』ではないので、自己責任で効果のあるものだけを摂取していきましょう。