プロテイン飲むのをやめたらどうなる?その不安とデメリットの解消法
ワークアウトブームや健康ブームで、体を動かす事はもちろん、糖質や脂質の摂取を控えるなど食事に気をつけている人は多いです。
そういうブームの中で、毎日の食生活にプロテインをプラスしている人は多いでしょう。
プロテインは簡単で気軽に栄養を摂取できる優れた栄養補助食品ですから。
しかし、何かの理由でプロテインの飲むのをやめようとした時、やめた事によって飲んでいた時と何か変化が起こるのか心配に思う人もいる事でしょう。
そこで今回は、今までプロテインを飲んでいた人がプロテインを飲むのをやめる事で何が起こるのかをお話していきます。
目次
どのような目的でプロテインを飲んでいるのかで変わってくる
まず始めに、あなたがどういう目的でプロテインを飲んでいるのかが重要です。
一番多いのは、『筋肥大を目的とした摂取』でしょう。
ワークアウトをしている人の多くが、タンパク質摂取のためにプロテインを飲んでいます。
その他に、『ダイエット目的』『体重増加目的』など、人によってプロテインを飲む理由は様々です。
ですので、何目的でプロテインを飲んでいるのかで『プロテインを飲むのをやめたらどうなる』が変わってきます。
では、上でお話した目的別に、プロテインを飲むのをやめたらどうなるのかを見ていきましょう。
筋肥大目的でプロテインを飲んでいる人が飲むのをやめた場合
ワークアウトをしている人は意識してタンパク質を摂取する事で筋肥大をする事ができますね。
食事だけでは補えないタンパク質をプロテインで補うわけですが、今までワークアウトとプロテインをセットにしていた人がプロテインを飲むのをやめるとどうなるのでしょう。
タンパク質の摂取をプロテインに頼っていた人の場合、あきらかな筋肉の減少が起きます。
筋肉は、材料となるタンパク質(アミノ酸)が不足すると、自分自身を分解してエネルギーをつくり出そうとします。
これをカタボリック(異化)と言います。
筋肉に限らず、体中にある細胞は、毎日合成や分解を繰り返しているので、材料となる栄養素を摂取しないと、合成よりも分解の方が多くなり、結果、カタボリックが起きるのです。
アスリートやボディビルダーなどは、このカタボリックがなるべく起きないように、食事を1日に5回以上取るなどこまめに栄養を摂取しているのです。
ですので、今までワークアウトとプロテインをセットにしていた人がプロテインを飲むのをやめると、筋肉の材料が不足し、筋肉が減少するのです。
ただし、プロテインで補っていた分のタンパク質を食事から摂取するのであれば、カタボリックは防ぐ事ができます。
プロテインをやめた分のタンパク質を、肉や魚などから摂取する事になりますから、筋肉の維持や筋肥大を食事からの栄養だけで賄うには、いつも以上に食べる量(タンパク質をメインに)を増やす必要があります。
他にも、筋肥大目的でプロテインを飲んでいる人が飲むのをやめると起きる事があります。
それは、『筋肥大の速度が遅くなる』『筋肉痛が強く出る・治るのに時間がかかる』です。
先ほど、食事からしっかりタンパク質を摂取すれば筋肉の維持や筋肥大はできるとお話しましたが、食事からタンパク質を摂取しようとすると、消化・吸収に時間がかかります。
ワークアウト直後にプロテインを飲む事が多いですが、これはワークアウト直後が、筋肉が栄養素を一番吸収する時間だからです。
ワークアウト後30分はゴールデンタイムと言われ、このゴールデンタイムにプロテインを飲むと筋肉に一番効きます。
プロテインはスムーズに消化・吸収されるので、ゴールデンタイムに摂取する事が効率良く筋肥大させるコツなのです。
これが食事となると、用意する手間や消化・吸収に時間がかかるわけですから、なかなかワークアウト直後に食事を取るのが難しい=ゴールデンタイムを逃す、とい事になるわけです。
ワークアウト直後が栄養の吸収率のピークで、時間が経てば経つほど吸収率は下がっていきます。
ですので、いくら食事からタンパク質を摂取していても、プロテインを飲むのをやめると、『筋肥大はするが、ゴールデンタイムを逃すので筋肥大の速度は遅くなる』というわけです。
それともうひとつの筋肉痛についてですが、これも筋肥大の話と同じで、ゴールデンタイム中に筋肉に材料=タンパク質(アミノ酸)を届けてあげる事が素早い回復に繋がるので、プロテインを飲むのをやめると回復が遅れ、筋肉痛が強く出たり、治るのに時間がかかったりする、というわけです。
ダイエット目的でプロテインを飲んでいる人が飲むのをやめた場合
ダイエット目的でプロテインを飲んでいる人も多いですが、そのプロテインがどういうものかで飲むのをやめるとどうなるかが変わってきます。
ドラッグストアやスポーツショップで売られている筋肥大目的のプロテイン、もしくは同じコーナーに置いてあるダイエット用プロテインのようなタンパク質がメインのプロテインを飲みながらダイエットをしている人は、プロテインを飲むのをやめる事でタンパク質不足になる可能性が高いです。
タンパク質不足=カタボリックが起きるので、代謝が落ちます。
今までだったら食べても太らなかった食事量でも、代謝が落ちてしまうと同じ食事量でも体重が増えやすくなってしまいます。
カタボリックが起きないように食事からタンパク質をしっかりと摂取するのが望ましいですが、ダイエットをしている人は食事量を抑えている人が多いので難しいところです。
代謝を落とさないためにも、糖質や脂質を抑えながらしっかりと食事からタンパク質を摂取する必要があります。
その他にダイエットをしている人が飲んでいるプロテインとして、ドラッグストアや通販で売られている、置き換えダイエット用プロテインがあります。
1日3食のうち1~2食をプロテインに置き換えるダイエットに使うものですね。
このプロテインは先ほどのタンパク質メインのプロテインとは違い、炭水化物やミネラルやビタミンや美容成分や脂肪燃焼成分など、色々なものが添加されているので、タンパク質の含有量はそれほど多くありません。
置き換えダイエットプロテインを飲むのをやめてカタボリックが起きるかどうかという事よりも、カロリーを抑えたうえに脂肪燃焼成分で体重を落としていた今までとは全く違う環境になるわけですから、かなり食事内容に気をつけないと少しずつ体重は増えていくでしょう。
この場合も、糖質やカロリーを抑えながらタンパク質を食事からしっかり摂取するよう心がけましょう。
体重増加目的でプロテインを飲んでいる人が飲むのをやめた場合
プロテインには、筋肉ではなく脂肪で体を大きくするためのものもあります。
食が細い痩せ型の人や、階級分けされているスポーツをしている人などに向いているプロテインです。
まず、食が細い痩せ型の人がこのプロテインを飲んで体重を増やしていた場合、当たり前ですが、飲むのをやめると体重は減っていくでしょう。
食が細いので、プロテインをやめた分を食事から補うのは難しいでしょうし、このプロテインにはタンパク質だけではなく糖質もかなりの量が含まれているので、筋肉と脂肪が同時に減っていく事になります。
階級分けされているスポーツをしている人は、ひとつ以上上の階級で競技するためにこのプロテインを飲んで体重を増やす人もいるわけですが、このプロテインを飲むのをやめても食事からの栄養摂取を抑えない限り痩せる事はないでしょう。
スポーツをしている人は元々食事には気を使っていますし、階級分けされているスポーツはかなり激しいものが多く、体づくりや回復に必要なので普段の食事量もそれなりに多い事でしょう。
ですので、体重増加はしなくても体重減少もしない、という事になりますね。
プロテインから摂取していた分のタンパク質を食事から摂取するには
プロテインを飲むのをやめるという事は、それまで摂取できていた栄養素を食事から意識的に摂取しないと不足する、という事です。
特にプロテインのメイン成分のタンパク質は、筋肉はもちろん、髪や皮膚や内臓など体のあらゆる細胞をつくっているので、極端に不足すると筋肉が減少するのはもちろん、髪が細くなったり抜けやすくなったり、皮膚がカサカサになったりと何かしらの症状が起きてくる事になります。
では、食事からしっかりとタンパク質を摂取するには何をどれぐらい食べればいいのか、見ていきましょう。
人間が1日に最低でも摂取したいタンパク質量は、体重1kgあたり1gです。
スポーツをしていたり、力仕事をしていたりと毎日体を使う人は、体重1kgあたり2gです。
妊娠している人は、体重1kgあたり1.5~2gです。
体重70kgのスポーツをしている人は、70×2gで1日に最低でも140gのタンパク質が必要という計算です。
体重50kgの妊娠している人は、50×1.5~2gで1日に最低でも75~100gのタンパク質が必要という事ですね。
その1日に必要なタンパク質を何から摂取するのかですが、動物性のタンパク質がオススメです。
植物性のタンパク質より動物性タンパク質の方が、吸収率が良いからです。
動物性タンパク質といえば、肉や魚や卵ですね。
筋肉に良い食材といえば鶏肉をイメージしますが、脂肪分が少ないササミの100gあたりのタンパク質量は23gです。
数字にしてみると以外に少ないように感じますが、食材には水分が多く含まれているので、重量のわりにタンパク質が少なく感じるのです。(プロテインは水分を抜いているため比率的にタンパク質量が多くなる。)
魚介類にも肉類に負けないぐらいのタンパク質が含まれています。
日本人が大好きなマグロの赤身の場合、100gあたり27gのタンパク質が含まれています。
ササミよりもタンパク質が多いなんで驚きですね。
魚介類のメリットは、肉の脂肪と違って体に良い脂肪(DHAやEPA)を摂取できるところです。
魚の脂肪は健康維持にかかせないものなので、タンパク質補給食材としてはかなり優秀です。
食材に含まれるタンパク質量は検索するとすぐに出てきますので、情報を駆使してタンパク質を摂取するようにしましょう。
まとめ:プロテインをやめるデメリットはあるが、食事を見直せば解決できる
- 筋肥大を目標にプロテインを飲んでいる人がプロテインをやめる場合、食事量を増やす(高タンパク質)事で、筋肉の維持や筋肥大ができる。
- ダイエット目的でプロテインを飲んでいる人がプロテインをやめる場合、単純にタンパク質量を増やした食事だと糖質やカロリーの摂取量も増えるので、糖質やカロリー計算をする事でタンパク質を摂取しながらも体重増加を防ぐ事ができる。
- 体重増加目的でプロテインを飲んでいる人がプロテインをやめる場合、食の細い人は食事量を増やす事が難しいため、できればプロテインを飲み続け、体重の維持や増加を目指した方が良い。
プロテインを飲んでいる人の多くは、私もそうでしたがプロテインに頼りっぱなしという人が多いです。
プロテインは薬ではなく、あくまで栄養補助食品なので、メインの食事ありきのサプリメントです。
食事にしっかりと重点を置き、少しずつプロテイン量を減らしていければ、最終的にプロテインを飲まなくても飲んでいた時と同じような状態に身を置く事ができるでしょう。
私達の体はタンパク質が必要不可欠です。
中高年になって太りやすくなったり、足腰が弱くなったりする原因のひとつが『筋肉の衰え』です。
毎日の食事が健康と体づくりの基本になるので、高タンパク質の食事で健康的で理想の体を手に入れ、長く太く人生を楽しみましょう。